「集積」と「知覚」
人は同じ瞬間、同じ環境を共有していても、同じものを見ているとは限らない。それぞれが無意識に得たい情報を、適切な量選び、それぞれで知覚している。私が捉えているものを、他の人が捉えていないという事も常にありうる。
みんな、違う世界を生きているようだ、と思う。
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この世界に存在する物質は全て粒子で構成されていると言われている。一つでは目に見えないほど細かな粒子が引き寄せあい、塊になって、肉眼で見ている。
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私にはひとつひとつの細かな粒子が「個人の知覚」のように思え、たくさんの視点や情報が集積し、一つの物質や風景を作っているのではないだろうか。それを目に見える形に表現できないかと、制作を続けています。
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作品制作方法
素材は主にアクリル板を使っています。リューターという機械でアクリル板の表面を細かく削っています。今回は全て三層です。表と裏を削っているので全部で六層になっています。一番奥がミラーになっているので、更に倍になって見えています。
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【徳永博子プロフィール】
福岡デザイン専門学校視覚情報デザイン科卒業、東京造形大学美術学部絵画科中退。「集積」と「知覚」をキーワードに、リューターと呼ばれる電動ニードルでアクリル板の上に文様を描く。アクリル板は数枚重ね1つの作品となり、幻想的な世界が創られる。国内での個展、国内外でのグループ展多数。
-受賞歴-
2001 アジアデジタルアート大賞展 カテゴリーB 大賞受賞2016 11th TAGBOAT AWARD 審査員特別賞塩入敏治賞受賞2017 12th TAGBORT AWARD グランプリ受賞
website: HirokoTokunaga art works
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Exhibition: Weekend展覧会Vol.1 徳永博子・松本沙希