里美 穂 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.2

里美 穂(さとみ・すい)「苦縁淨」2018

線を引く。何もない白い空間に墨の粒子が整列し、空気が、重たさが、時間が生まれる。

私は糸を描いたが、糸を描いていない。これは、宇宙の研究なのである。(里美 穂)

田中美穂 アトリエでの制作風景

【モチーフや画材について】

制作素材には主につけペン、墨、カラーインクなどを使っています。
カラーインクは耐光性が強いリキテックスリキッドがお気に入りです。
混色したインクを梅皿に入れて並べて使用します。
つけペン先は和紙の繊維やインクが詰まりやすいので、よりきれいな線を引けるよう、1日に一度は必ず取り替えています。

インク・つけペン

特にワクワクするのは、モチーフの糸を選ぶ時です。
イメージした糸を探し当てることよりも、糸から湧いたイメージを描くことが多く、「どの子にしようかな」と一つ一つ手に取っていきます。
そうすると、この子だ!とピンときます。

様々な種類の素材が並ぶアトリエ

描きたい糸が多すぎて手が追い付かず、「私はいつ描くの?」と糸達から日々急かされています。

【里美 穂(さとみ・すい)プロフィール】
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画第6研究室修了。
和紙に墨やインクで糸をモチーフとして描く。田中美穂の描く絡まりあった糸は、音を立てずに垂れ下がり、静謐な時間を生み出す。また、糸以外のモチーフを描く新しい表現にも果敢に取り組んでいる。

-受賞歴-
2017 第2回 アートオリンピア2017学生部門 第6位 上位入賞/学生部門 審査員特別賞 ブレット・リットマン
2019 第3回 アートオリンピア2019 佳作

-収蔵歴-
2017 アートオリンピア受賞作品「習作ー縁々繋ぐ」  FAN美術館
2017 修了制作「静かな叫びを紡ぐ」 帝京大学博物館

website
https://www.satomisui.com/

instagram @art.mihotanaka
twitter @art_mihotanaka

Exhibition Weekend展覧会Vol.2 田中美穂・釣光穂・松村咲希