作家に迫る(第十ハ回)蒼野甘夏 |カタログ「秋華洞」2021年春号 令和二年の春、私どもは大阪の阪急百貨店で「美人画ルネサンス展」を開催した。大規模なこの企画では、現代の美人画が、どのように展開し、どのような画家がいるのか紹介すると共に、明治以来の美人画の歴史を同時に展示販売するという意欲的な取り組みを阪急の企画部と共に実行するもので、私達にとっても初めての試みであった。
作家に迫る(第十七回) 岡本東子を探す旅|カタログ「秋華洞」2020年秋号 岡本東子は変わりゆく日本画、美術業界、そして社会の中で女達を描き続けた。私達は彼女のそばで見守り、励まし、新しいなにかが生まれてくるのを待った。幽霊画などに彼女は新境地を見せた。光と影の中で立体的に描かれる21世紀型日本画とも言うべき女性像という技法を手がかかりに彼女は人間の真実を求めようとしてきたと思う。
田口由花・松浦シオリ二人展記念 インタビュー 2020年11月20日(金)~28(土)秋華洞にて開催される二人展を記念して、Zoomでインタビューを行いました。田口由花は日本画の技法で、松浦シオリはデジタル描画で作品を生み出しています。何を感じ、何を考え、日々制作しているのか。必読のインタビューです。
松村咲希 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.2 平面作品が持っている、ある種の錯覚や歪みのような空間性は、現実とのズレとして私たちの感覚を再認識させ、また、新しい景色や感覚へのイマジネーションをも膨らませてくれるように感じています。
里美 穂 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.2 線を引く。何もない白い空間に墨の粒子が整列し、空気が、重たさが、時間が生まれる。私は糸を描いたが、糸を描いていない。これは、宇宙の研究なのである。
釣光穂 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.2 やきものの技法と特性を用いて、過去や現在の身の回りのモチーフを組み合わせ、つくるという身近で普遍的な行いをみつめなおすことを試みています。粘土を手で細く伸ばしひも状に縒り合わせて、ひもづくりという原始的なやきものの技法をアレンジして成形しています。
徳永博子 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.1 「集積」と「知覚」 人は同じ瞬間、同じ環境を共有していても、同じものを見ているとは限らない。それぞれが無意識に得たい情報を、適切な量選び、それぞれで知覚している。私が捉えているものを、他の人が捉えていないという事も常にありうる。 みんな、違う世界を生きているようだ、と思う。
松本沙希 制作コンセプト - Weekend展覧会Vol.1 松本沙希プロフィール 桑沢デザイン研究所卒。東京でグラフィックデザイナー、イラストレーターとして働いた後、セントラルセントマーチンズロンドン、プラハ工芸美術大学イラストレーショングラフィック科マスターコースを修了。現在プラハと東京をベースにイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動。
作家に迫る(第十六回) 髙木陽|カタログ「秋華洞」2020年春号 髙木陽のことを知ったのは美術雑誌『美術の窓』に連載されている山下裕二先生のコラム「今月の隠し玉」であったと思う。知られざる才能を見出すこのコラムに、髙木陽の作品が二点、紹介されていた。
作家に迫る(第十五回) 柿沼宏樹|カタログ「秋華洞」2020年春号 柿沼宏樹の世界の主たるものは、パノラミックワールドである。大画面に、宇宙人と地球人、そして鳩や鶏などの動物たちがひしめく。そこに何故かゴジラよろしく大怪獣がしばしば街を破壊して回る。
池永康晟インタビューその1:10年以上かかった肌色の追求 現代美人画のトップランナーとして活躍する池永康晟(いけながやすなり)。こだわりの肌色が生み出されるまでの過程や、遅いデビューまでの道のり、そしてこれからのことについて聞きました。 問:なぜ、画家を目指したのですか? 3歳の自我の目覚めの時に、自分は画描きに生まれたのだと思った。 だから、画描きになりたいと思ったことはありません。
作家に迫る(第十四回) ディー・チン(狄 青)|カタログ「秋華洞」2020年新春号 ディー・チン(狄 青/Di Qing)は、中国で生まれ、台湾を経て、日本に移り住んだ。中国圏の画家が私どもの所属になるのは、猫描きのチンペイイ(陳珮怡)に続いて二人目だ。