ART FAIR TOKYO 2022 - 作家紹介と作品のラインナップ

2022/03/11より開催アートされるアートフェア東京2022では、秋華洞がおすすめする7人の作家の作品を展示する。

まず一人目は、九千房政光。彼は美術教員として活躍していたが、2018年1月から突如、制作を始めたという異例の経歴である。その作品は、現代女性の仏像という、ありそうでなかったモチーフである。女性の顔が実在の俳優に見え、しかも見る人によって想起する俳優が違う。そういった見る楽しさが人々の眼を引きつけてSNSでも非常に話題になった。

Kusenbo Masamitsu「Statue of Miroku Bosatsu sitting contemplatively」2022

像のベースはいくつかあるが、顔、髪型、宝冠、胸飾、光背は少しずつ違うため、全く同じ作品はない。顔には特にこだわりがあり、ベースを制作する際は年単位で調整を重ねるほど。作品に施された古色は経年を経た味わいがあり、女性の表情と体のラインがゆったりと美しく、見る人に荘厳な気持ちを抱かせるのは作品の完成度の高さ所以である。

九千房は、今まで作品販売をしていなかったが、この度のアートフェア東京2022にて初めて販売する。

九千房 政光「弥勒菩薩思惟坐像」(部分)

二人目はMASARU OZAKI。彼はプロジェクションマッピングの日本の第一人者であり、国内でいち早く2013年に「プロジェクションマッピング入門」(玄光社MOOK)を発売しているほど。企業広告などの仕事をメインとしていたが、近年では、アートの制作のみに切り替え、OZAKI本人が表現したいことを突き詰めて形にしている。

MASARU OZAKI「ONCE MORE 4」2022

表現されている光の動きは具象的であるが、作品を観る人の捉え方はひとりひとり違う、まるで宇宙を表現していると言われる枯山水の庭のような作品たちである。

 

三人目は、中国出身のディー・チン。中国から台湾、台湾から日本へと制作の場を移している。中華圏ではすでに知られた存在で、作品を発表するとすぐに完売という人気ぶりである。

絹本に墨と東洋の絵具で描かれるのは、現実と幻想、そして古典の様式美に現代のユーモアが混じり合うまるで桃源郷のような世界である。彼女の描き出す幽玄世界に身をたゆたえてみたくなる人は多いだろう。

Di Qing「Leave」2021

そして、東洋一猫描き作家である台湾出身のチン・ペイイ。猫との信頼関係から生まれる作品たちには日本にも多くのファンがいる。

Chen Pei Yi「歡迎回家」2021

同じく台湾出身の高資婷(コウ ツテイ)は、若きアーティストでありながら上村松園に私淑しており、肌や線の柔らかい表現は観る人を魅了する。

Kao Tzu-ting「moon rabbit」2022

daikichiは、少女をモチーフに立体人形を制作している。ミリよりさらに細かいナノ単位までコントロールして制作いるかのように見える彼の作品は、宝石のように艷やかに光り輝いている。

daikichi「Nymph 02」2021
そして、友沢こたお。彗星のように現れた彼女は、超弩級の新星と言っていいだろう。確かな技術でヌラリとしたスライムを描く彼女の作品にはユーモアと少しの狂気が含まれ、それが多くの人を引きつけている。
Tomozawa Kotao「slime CXIII」2022

 

 

アートフェア東京は2022/03/11より開催

 

exhibition: ART FAIR TOKYO 2022 [ 2022/03/11 – 2022/03/13 ]